created at 2021.10.07
update at 2021.10.07
先日、EUで充電規格統一について議論され、法案が提出されました。簡単に言うと「充電規格のバラバラであるため、これらをUSB-Cに統一したら便利だよ?」という内容。この法案が通れば、iPhoneもUSB-Cに統一しなければならなくなります。ということで、本記事はiPhoneのLightningケーブル廃止危機について考えました。
まず、なぜEUはこんなにも熱心に統一に取り組もうとしているのか。
それは、EUは環境先進国であり、環境問題について様々な取り組みをしているからです。最近では、プラスチック問題に関して、強く取り組みを進めた実績があり、原則としてプラスチックの袋やプラスチックストローの廃止を実現させました。そんな中で、EUが次に取り組む課題として考えたのが、「充電器による廃棄を減らそうよ」と課題についてです。欧州委員会の報告によれば、消費者はみんな様々なケーブルを約3本持っているとのこと。それらのうち毎年1万1000トンが、ゴミとして捨てられています。
ヨーロッパは環境意識が凄いんじゃよ。
昔よりはケーブルがUSB規格によって統一されつつあり、ケーブルの種類は少なくて済むようになりました。しかしながら、やはりUSB-AやUSB-Bなど様々な充電ケーブルを持っていなければ、私たちの周りにある製品を充電することが出来ません。それは、かなりもったいないことです。
これに関して、USB-Cよりも長い歴史を持つライトニングケーブルが廃止される危機にあるApple側は、これはイノベーションを阻害することであると述べています。
でも、AppleがそこまでLightningケーブルにこだわる必要があるのかと思った人もいるでしょう。なぜAppleはLightningケーブルを手放したくないのか考えてみました。
当時、30ピンのコネクターを使っていたAppleは、Lightningケーブルを開発し、iPhone4Sに導入しました。今では、「ライトニングケーブルを廃止してくれぇー」と言う声は多く聞こえますが、実はメリットもあります。
防水性が高くなる。
iPhoneの充電中に抜けてしまうケースが少ない。
USB-C規格みたいな世代によるややこしさ(2.0/3.1/3.2)がないため、わかりやすい。
こういったこともあって、AppleとしてはUSB-Cを導入することで、性能低下は免れなかったり、互換性が失われたりするため、手放すべきではない。と考えているのではないでしょうか。
Appleはこういった充電規格統一に関する法案に関して嫌がっていますが、EU側はこれを特別に許可をするという動きはなさそうです。
AppleはUSB-Cに泣く泣く統一するのか、と思ってしまうかもしれませんが、ワイヤレス充電に移行するという可能性も残されています。これは本当かどうかわかりませんが、もともとはiPhone Xの時に有線充電(Lightning充電)を止めようと言う動きがあったと言うニュースがありました。もしこの法案が通ればこの企画を復活させる可能性は十分にあるでしょう。iPhone 12から採用されたMgsafeも、ワイヤレス充電だけにしようという動きに向けて導入されたのかもしれませんね。
とまぁ長くにわたってアップルがなぜライトニングにこだわり、統一することを嫌がっているのかということについて考えをまとめました。
USBの統一法案は環境問題に関わるということだけでも覚えていて欲しいですし、ひとりひとりがこれに関して、考えることが大事なのかなと思います。